貧者の一燈ならぬ富者の百万燈

史跡大峰山寺境内

大峰山寺は伝承では白鳳4年(665)、山上ヶ岳で役行者が金剛蔵王権現を祈出せしめた場所に建立されました。今回の本堂周辺の調査では、2箇所で大量の燈明器を廃棄した遺構を確認しました。年代は10世紀前葉、11世紀初頭、11世紀末を示しており、文献に記された藤原道長・師通の百万燈供養に相当する可能性があります。その他、銭弘俶塔や青銅鏡、綱状鉄製品が出土しており、これらも奉納品の一部とみられます。 


銭弘俶塔

瑞花鴛鴦鏡(右の鏡面に神像が彫られる)