狩猟の道具
宮の平遺跡出土の狩猟具には尖頭器と石鏃があります。尖頭器は、長い柄の先端に装着される槍の穂先で、獣などを突き刺す道具です。石鏃は、矢柄の先に装着される「矢じり」で、弓とセットで使用される飛び道具です。尖頭器は9点、石鏃は383点で、その大部分は二上山で採取されるサヌカイトと呼ばれる安山岩から作られています。尖頭器は旧石器以来の伝統を引き継ぐ狩猟具で、弓矢の出現とともに、やがて姿を消してゆきます。
吉野川における網漁
宮の平遺跡の石器のなかで特に目を引くのは、小さい川原石に紐掛のための切り溝を施すなどした石錘が477点も出土したことです。これらは刺し網の錘として使用されたと考えられ、豊かな吉野川で盛んに魚を捕獲していたことでしょう。
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